大分県災害データアーカイブ|大分大学減災・復興デザイン教育研究センター(CERD) NHK大分放送局 × 大分大学減災
復興デザイン教育研究センター(CERD)

災害【平成24年7月大雨】

発生期間 平成24年7月3日-平成24年7月5日 |災害番号:011720|固有コード:01172000

災害の種別
大雨 洪水
市町村
中津市

概要

7月3日から5日にかけて梅雨前線が九州北部に停滞した。南西からの湿った暖かい空気の流入によって、梅雨前線の活動が非常に活発となり、大分県北部・西部では大雨となった。耶馬溪では最大1時間降水量で、耶馬渓、院内、日田、玖珠では最大3時間降水量で観測開始以来1位の値を更新した。

7月3日、日田市内を流れる花月川が氾濫し、周辺の民家が浸水。中津市本耶馬渓町多志田でも山国川が氾濫し、5世帯が孤立した。2河川のはん濫や大雨による土砂災害の危険に伴い、日田市で最大8,026世帯21,925名に避難指示が発令されたのをはじめ、日田市、中津市、由布市及び玖珠町の4市町では避難勧告が発令された。また、住宅の全・半壊、床上・床下浸水が多数発生した。
同日午前10時40分ごろに、下郷農協加工所から同僚の1人から「男性と連絡が取れない」と通報があった。中津警察署や消防団が捜索したが、同加工所で作業をしていた70代の男性1人が行方不明になった。また、宇佐市安心院町荘では、男性(90)が自宅近くで起きた土砂崩れに巻き込まれ、胸の骨を折った。
県内は各地で土砂崩れや民家への浸水、道路の冠水などの被害が出た。各市町村教委によると、中津、日田、玖珠の15小中学校が休校。JR久大本線は由布市、日田市など一部区間で運転を見合わせ、特急列車12本、普通列車22本が運休した関係で少なくとも1,600名に影響が出た。。大分自動車の日田-天瀬高塚間でのり面が3箇所で崩れた影響などから一部通行止めになった。ライフラインでは、九州電力大分支社によると、県内は最大で約600世帯が停電した。また、NTT西日本大分支店に
よると、県北部を中心にインターネットや電話の計約4,000回線が不通になった。
公立学校は22校が休校、27校が登下校時間をずらした。
7月4日も日田市、由布市の一部で避難勧告が発令された。
日田市市殿町では倒木処理中に男性(67)が軽いけがを負い市内の病院に入院した。同日は、日田・中津両市の 16 小中学校が休校した。

【出典:大分地方気象台提供資料】

7月3日は、梅雨前線が九州北部地方に停滞し、前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、特に明け方から昼前を中心に大気の状態が非常に不安定となった。4日は、梅雨前線が九州北部地方に停滞し、昼前を中心に大気の状態が不安定となった。

大分県では、7月3日は、明け方から午前中にかけて雷を伴った激しい雨が断続的に降り、西部や北部を中心に記録的な大雨となった。耶馬溪(中津市)では、3日6時45分までの1時間に91.0ミリの猛烈な雨を観測し、観測史上1位の記録(統計開始1976年)となった。また、院内(宇佐市)でも、3日7時44分までの1時間に57.5ミリの非常に激しい雨を観測し、7月における1位の記録(統計開始1976年)となった。さらに、3日8時00分には、日田市日田付近で1時間約110ミリの猛烈な雨が解析された。7月4日の午前中にも日田市を中心に1時間に30ミリを超える激しい雨が降った。

○人的被害
・行方不明者1人:中津市耶馬溪町で農協職員が作業所ごと川に流され、不明。現在捜索中。重傷者1人:宇佐市安心院町で90歳男性が土砂崩れに巻き込まれ肋骨骨折。病院へ搬送し容態は安定、入院中。軽傷者1人:日田市殿町で67歳男性が処理していた倒木により、膝を負傷し、入院したが退院。
○住家被害
・住家全壊2棟:日田市2、住家半壊18棟:中津市6、日田市10、玖珠町2、住家一部損壊55棟:日田市52、杵築市1、玖珠町2、床上浸水679棟:中津市132、日田市544、玖珠町3、床下浸水635棟:別府市1、中津市184、日田市411、杵築市2、宇佐市22、九重町1、玖珠町14

【出典:気象災害報告201209/災害時気象資料 ー平成24年7月3日から4日にかけての大分県の大雨についてー(大分地方気象台)】

災害データ

最低気圧
-
最低気圧観測地
-
最低気圧観測日時
-
最大風速の風向
-
最大風速
-
最大風速の観測地
-
最大風速の観測日時
-
累積最大降水量
334.5ミリ
累積最大降水量観測地
耶馬溪
日最大降水量
250.5ミリ
日最大降水量観測地
耶馬溪
最大日降水量の観測年月日
2012/7/3
最大1時間降水量
-
最大1時間降水量の観測地
耶馬溪
最大1時間降水量の観測年月日時間
2012/7/3 6:45
死者・行方不明者数
1人
負傷者数
2人
住家全壊/全焼数
2戸(棟)
住家半壊/半焼数
73戸(棟)
住家一部損壊数
-
床上浸水数
679戸(棟)
床下浸水数
635戸(棟)
道路被害 ※事前通行規制は除く
238か所
橋梁被害
-
山・崖崩れ
20か所
被害総額
-