大分県災害データアーカイブ|大分大学減災・復興デザイン教育研究センター(CERD) NHK大分放送局 × 大分大学減災
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災害【平成17年7月大雨】

発生期間 平成17年7月8日-平成17年7月11日 |災害番号:011260|固有コード:01126000

災害の種別
大雨 洪水
市町村
九重町 日田市

概要

7月8日夜から9日かけて梅雨前線は九州中部から九州北部へ次第に北上した。10日から11日にかけて梅雨前線は九州北部にあって、大分県は太平洋高気圧の周辺部となり大気の状態が非常に不安定となっていた。このため、9日朝のうちから昼前にかけてと10日は朝と夜に活発な雨雲が前線に沿って帯状に連なり次々と通過した。この間に活発な雨雲の通過した西部や中部の山間部では記録的な大雨となった。10日4時00分には九重町付近で1時間約90ミリの猛烈な雨が解析されている。日田市椿ヶ鼻では、10日4時20分までの1時間降水量が60ミリの非常に激しい雨を観測し、10日の日降水量は228ミリを観測した。日田市上津江振興局では最大1時間降水量92.5ミリ(10日3時35分)の猛烈な雨を観測し、10日の日降水量は310.5ミリを観測した。また、日本気象協会の九重・牧ノ戸峠では最大1時間降水量76ミリ(10日4時)の非常に激しい雨を観測し、10日の日降水量は371ミリを観測した。このため、10日4時頃には日田市、九重町、湯布院町、庄内町付近では、過去数年間で最も土砂災害の危険性が高まった。降り始めの8日から11日までの期間降水量は西部の山間部で特に多く、日田市椿ヶ鼻では500ミリ、日田市上津江振興局では571ミリ、日本気象協会の九重・牧ノ戸峠では571.5ミリを観測した。

7月10日04時15分頃に玖珠郡九重町湯坪ひぜん湯キャンプ場でひぜん湯川が氾濫し、付近の家屋に土砂が流れ込み2棟が全壊した。この災害で男性1名が死亡し、2名が軽傷を負った。7月10日05時30分頃に日田市上津江町で土砂崩れにより家屋が押し流され、家屋内にいた2名が死亡した。※現地調査では、03時過ぎに隣家がこの災害に遭ったとの報告があった。7月10日04時10分頃に玖珠郡九重町大字後野上小野界橋付近県道飯田高原中村線で県道が損壊した。損壊した県道に車両1台が転落し、県道に沿う玖珠川に流された。この災害で女性1名が死亡し、女性1名が行方不明となった。7月9日から10日にかけての大雨により西部の日田玖珠を中心に死者5名の人的被害と山がけ崩れ、道路損壊、床上浸水、床下浸水等が多数発生した。

【出典:大分県災異誌 第7編(平成13年-平成23年)(2012.2)】

【平成17年7月大雨】

【出典:2005/7/10 9:00の天気図】

災害データ

最低気圧
-
最低気圧観測地
-
最低気圧観測日時
-
最大風速の風向
-
最大風速
-
最大風速の観測地
-
最大風速の観測日時
-
累積最大降水量
500ミリ
累積最大降水量観測地
椿ヶ鼻
日最大降水量
228ミリ
日最大降水量観測地
椿ヶ鼻
最大日降水量の観測年月日
2005/7/10
最大1時間降水量
-
最大1時間降水量の観測地
椿ヶ鼻
最大1時間降水量の観測年月日時間
2005/7/10 4:20
死者・行方不明者数
5人
負傷者数
-
住家全壊/全焼数
4戸(棟)
住家半壊/半焼数
2戸(棟)
住家一部損壊数
-
床上浸水数
18戸(棟)
床下浸水数
8戸(棟)
道路被害 ※事前通行規制は除く
163か所
橋梁被害
3か所
山・崖崩れ
24か所
被害総額
7,706,681 千円

主な被害

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土砂崩れにより家屋が押し流され、中にいた50代の男性と母親の90代の女性2人が死亡した。※現地調査では、3時過ぎに隣家がこの災害に遭ったとの報告があった。

住宅1棟が床上まで水に浸かる被害が出た。また地区につながる橋が川の増水で水に浸かっているためこの住宅を含む3世帯12人が孤立した。

県道飯田高原中村線の界橋付近で県道が損壊、車両1台が転落し、県道に沿う玖珠川に流された。女性1人が死亡、女性1人が行方不明となった。

宿泊施設の裏山が崩れて住宅の1階に土砂が流れ込み、経営者の80代の男性が土砂の中から遺体で見つかった。また同居人の男性2人がひざや肩などに軽傷を負った。

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