被害【平成16年9月台風第21号】北海部郡佐賀関町一尺屋下川原
|災害番号:011220|固有コード:01122003
- 市町村
- 大分市
概要(被害)
1棟が床上浸水し、1人が一尺屋改善センターに自主避難した。
災害概要
9月21日3時にグアム島の西海上で発生した台風第21号は、26日には宮古島の北の海上に達し、ほとんど停滞した。この後、27日の夕方からは北東へ向きを変えて再び動き始め九州に接近し、29日8時30分頃鹿児島県串木野市付近に上陸した。上陸時の勢力は、中心気圧が970hPaで中心付近の最大風速は30メートル、風速25メートル以上の暴風域の半径は140キロ、風速15メートル以上の強風域の半径は東側440キロ、西側300キロだった。台風は、上陸後次第に勢力は衰えたものの、各地に大雨を降らせながら北東へ進み、29日12時過ぎには宮崎県北部から日向灘へ抜け、15時過ぎに高知県に再上陸した。その後、本州を縦断後30日9時に三陸沖で温帯低気圧となった。大分県では、29日10時20分には、国見で1時間に104ミリの猛烈な雨を観測した。29日昼ごろからは県内のほぼ全域で1時間に30ミリ以上の激しい雨が降り、夕方まで断続的に続いた。28日9時の降り始めから29日24時までの期間降水量は臼杵で254ミリ、宇目で234ミリ、佐伯で231ミリ、国見で227ミリ、佐賀関で207ミリであった。大分県は29日明け方から風速15メートル以上の強風域に入り、南東から北東の風が次第に強まった。29日昼頃から昼過ぎにかけては北部地方を除き風速25メートルの暴風域に入り、大分で14時01分に北北西の風で27.7メートルの最大瞬間風速を観測した。
台風による大雨のため、9月29日に国見町川西地区と東中地区で民家の裏山が崩れ、家屋が一部損壊し自主避難、人的被害なし。29日、別府市朝見1丁目で教会の裏山の急斜面の土砂が崩落し、教会の一部が半壊したものの人的被害なし等、18箇所の山がけ崩れがあった。29日、国見町岐部川で河川の増水により、堤防が約30mから40m程度決壊し流水した。このため、国見町中岐部、大熊毛、櫛来、浦手地区で30棟が床下浸水したが、人的被害はなかった。また、武蔵町内田地区、国東町大恩寺地区、富来地区、横手地区、赤松地区で山からの流水により7棟が床下浸水した。安岐町富清では道路工事中の暗きょが増水のため詰まり、1棟が床下浸水した。佐賀関町大字一尺屋下川原地区で1棟が床上浸水し、1名が一尺屋改善センターに自主避難した。29日、大分市高江で民家の敷地内のプレハブ倉庫(縦2×横1×高さ2m)が強風により倒壊するなど非住家被害が、県内3箇所で発生した。
【出典:大分県災異誌 第7編(平成13年-平成23年)(2012.2)】
【出典:2004/9/29 9:00の天気図】
災害データ
- 最低気圧
- 994.7hPa
- 最低気圧観測地
- -
- 最低気圧観測日時
- 2004/9/29 12:19
- 最大風速の風向
- 北北西
- 最大風速
- 19メートル
- 最大風速の観測地
- 武蔵
- 最大風速の観測日時
- 2004/9/29 14:30
- 累積最大降水量
- 254ミリ
- 累積最大降水量観測地
- 臼杵
- 日最大降水量
- 243ミリ
- 日最大降水量観測地
- 臼杵
- 最大日降水量の観測年月日
- 2004/9/29
- 最大1時間降水量
- -
- 最大1時間降水量の観測地
- 国見
- 最大1時間降水量の観測年月日時間
- 2004/9/29 10:20
- 死者・行方不明者数
- -
- 負傷者数
- 2人
- 住家全壊/全焼数
- 3戸(棟)
- 住家半壊/半焼数
- 2戸(棟)
- 住家一部損壊数
- 33戸(棟)
- 床上浸水数
- 32戸(棟)
- 床下浸水数
- 326戸(棟)
- 道路被害 ※事前通行規制は除く
- 31か所
- 橋梁被害
- -
- 山・崖崩れ
- -
- 被害総額
- 5,037,994 千円
主な被害
マップを見る橋の土台がずれてやや陥没し通れなくなった。
民家の裏山が崩れ、家屋が一部損壊し自主避難、人的被害はなかった。
道路が陥没し、見回りをしていた消防団員の30代の男性が転落して棟を打ち、1週間のけがをした。
70代の男性が倒れて県道をふさいでいた木を取り除こうと電動ノコギリで切っていたところ木が左足に落ちて指を骨折した。
高台にある住宅のすぐ下のがけが崩れた。けが人はいなかったものの、駐車場に止めてあった車3台に土砂や木が覆いかぶさった。
民家の敷地内のプレハブ倉庫(縦2×横1×高さ2メートル)が強風により倒壊した。
教会の裏山の急斜面の土砂が崩落し、一部が半壊したものの人的被害はなかった。
民家の裏山が崩れ、家屋が一部損壊し自主避難、人的被害はなかった。
岐部川の増水により、堤防が約30メートルから40メートル程度決壊し流水した。国見町中岐部で床下浸水があったが、人的被害はなかった。