被害【平成16年9月台風第18号】佐伯市中の島
|災害番号:011210|固有コード:01121001
- 市町村
- 佐伯市
概要(被害)
暴風のため落下した長さ2メートルほどの看板が走行中の車両のフロントガラスを破って、20代の運転手の顔面に直撃。大けがを負い病院で手当を受けた。
災害概要
8月28日9時にマーシャル諸島付近で発生した台風第18号は、31日9時には中心付近の最大風速が45メートルと「非常に強い」勢力に発達した。9月5日に沖縄本島を通過し、東シナ海を北上した。6日夜からは東よりに向きを変えて九州北部に接近し、7日9時30分頃長崎市付近に上陸した。上陸時の勢力は、中心気圧が945ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は40メートル、風速15メートル以上の強風域の半径が東側600キロ、西側440キロと「大型で強い」勢力だった。上陸後は速度を速めながら佐賀県、福岡県を通過、12時頃響灘へ抜け、山口県の西岸部をかすめて日本海へ進んだ。6日朝の内から大分県の一部が強風域に入り、昼過ぎには全域が強風域に入った。7日7時頃には、大分県の一部が暴風域に入り、8時頃には全域が暴風域に入った。7日11時48分には日田で南南東の風で50.2メートル(観測史上1位)の最大瞬間風速を観測した。また、大分でも7日11時04分に南東の風で38.4メートル(観測史上3位)の最大瞬間風速を観測した。大分県が暴風域を抜けた16時頃から風は次第に弱まり、17時50分に暴風警報は解除された。大分県では、台風の接近に伴い西部、南部、中部を中心に大雨となり、5日から7日までの期間降水量は倉木で338ミリ、出羽で250ミリ、臼杵で241ミリを観測した。
台風の接近に伴う暴風により、7日10時50分頃佐伯市中の島で、落下した看板が走行中の車両のフロントガラスを破って、運転手の顔面に直撃し負傷した。また、香々地町、九重町、宇佐市、別府市で暴風により、窓ガラスが割れ、破片で負傷するなどで23名の負傷者がでた。建物被害では、住家半壊・一部損壊が976棟の被害があった。台風接近による大雨により、7日09時40分頃臼杵市大字大泊の県道臼杵津久見線(大泊~徳浦間)で幅20m、高さ10mの山がけ崩れがあり、道路の3分の2程が埋まり通行できない等の山がけ崩れが5箇所発生した。
【出典:大分県災異誌 第7編(平成13年-平成23年)(2012.2)】
【出典:2004/9/7 9:00の天気図】
災害データ
- 最低気圧
- 971.9hPa
- 最低気圧観測地
- -
- 最低気圧観測日時
- 2004/9/7 11:04
- 最大風速の風向
- 南南東
- 最大風速
- 30メートル
- 最大風速の観測地
- 武蔵
- 最大風速の観測日時
- 2004/9/7 11:20
- 累積最大降水量
- 338ミリ
- 累積最大降水量観測地
- 倉木
- 日最大降水量
- 172ミリ
- 日最大降水量観測地
- 倉木
- 最大日降水量の観測年月日
- 2004/9/6
- 最大1時間降水量
- -
- 最大1時間降水量の観測地
- 日田
- 最大1時間降水量の観測年月日時間
- 2004/9/7 11:40
- 死者・行方不明者数
- -
- 負傷者数
- 38人
- 住家全壊/全焼数
- 戸(棟)
- 住家半壊/半焼数
- 23戸(棟)
- 住家一部損壊数
- 953戸(棟)
- 床上浸水数
- 3戸(棟)
- 床下浸水数
- 6戸(棟)
- 道路被害 ※事前通行規制は除く
- 31か所
- 橋梁被害
- -
- 山・崖崩れ
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- 被害総額
- 9,319,995 千円
主な被害
マップを見る咸宜園跡の周囲に設けられている土の塀が高さ2メートル、幅6メートルにわたり倒れた。
強風のため住宅2棟が半壊し、この際、それぞれの家に住んでいた60代の女性と70代の女性が頭や唇にけがをした。
台風の強い風で樹齢680年とみられるイチョウの神木が倒れた。イチョウは高さがおよそ30メートルあり、根元から3メートルほどの部分から折れて倒れ、神社の建物のうち拝殿の大部分を壊した。
境内の杉の木が台風の強い風のため倒れ、神社の社務所と公民館の一部が壊れた。
防災用の土嚢袋やシャベルなどが保管されていたプレハブ倉庫が強い風のため、屋根が飛んで建物が壁ごと倒れた。
強い風で住宅の窓ガラスが割れ、家の中にいた高校1年の女子生徒と、4歳の女の子2人が割れたガラスで足にけがをして病院で手当を受けた。
中学校の体育館の屋根のおよそ半分が吹き飛ばされ、一部が隣の住宅に落下し、住宅の一部が壊れた。中学校の生徒は台風接近のため臨時休校で、当時体育館には誰もいなかった。
県道臼杵津久見線(大泊~徳浦間)で幅20メートル、高さ10メートルの山崖崩れがあり、道路の3分の2程が埋まり通行できないなどの山崖崩れが、5か所発生した。
80代の女性が自宅で犬に餌をやるため家の外に出たところ、台風の強い風にあおられて転倒、左足をけがして病院で手当を受けた。