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被害【昭和54年9月台風第12号】大分市要町 大分駅

|災害番号:008950|固有コード:00895004

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市町村
大分市

概要(被害)

構内が冠水し、ポイントが一部水につかり、また、各地で道床が流失するなど4日の午前中は利用客の足に影響が出たが、夕方から次第に復帰した。

災害概要

9月2日、南大東島の北方海上にあった弱い熱帯低気圧は18時に台風12号(中心気圧994ミリバール)となった。台風は、小型の弱い勢力のまま、ゆっくり北上した。3日9時には、奄美大島の北東海上を、15時には屋久島の西を通り、21時には鹿児島県の志布志町付近に上陸した。4日0時には、宮崎巿の西を通り、3時には、蒲江町の南に達した。このころから次第に北東に向きを変え、6時には、四国の宇和島市付近に再上陸して、大分県から次第に遠ざかった。県内の雨は、3日の16時過ぎから県の中部で1時間に20ミリ以上の強い雨を観測し、別府巿では21時までの3時間に103ミリの強い雨が降った。また、4日の0時から1時までの1時間に臼杵では64ミリ、2時までの1時間に佐伯では、57ミリの短時間強雨が降った。雨は6時以後は次第に弱まった。なお、大分市の戸次では、台風が種子島の西の海上にあった3日17時45分ごろ弱い竜巻が発生した。県内の風は、沿岸部を中心に4日の0〜6時ごろにかけてやや強まり、大分では、3時20分に最大風速11.8メートル(北)を、また、2時50分に最大瞬間風速20.5メートル(北)を観測した。

台風の特性
(1)ごく小さい小型の弱い台風であったが、九州や四国に上陸しても、その勢力を保ち続けた。
(2)短期間に多くの雨が降った。すなわち、県の中部で3日18時〜4日6時の12時間に250ミリの多量の雨が降った。
(3)国東半島、日田地方では、比較的に雨は少なかった。
(4)風は、全般的に弱かった。
(5)台風の前面で弱い竜巻が発生した。

県内の被害は死亡1人、負傷1人、住家半壊1棟、同一部破損35棟、非住家被害7棟、同床上浸水90棟、同床下浸水399棟、耕地流失埋没75ha、道路損壊8か所、鉄軌道被害11か所、山・がけ崩れ14か所、提防決壊1か所、り災世帯92,り災者170人(県警調べ)県がまとめた被害額は、農作物被害額が8,400万円、水産物被害額7億1,605万円、林業関係被害額3億1,350万円で総額は、施設関係被害を含めると約48億円に達した。交通では、国鉄が4日午前中は、マヒ状態となった。また、バスの運休や船、空の便も欠航した。その他、13,700戸が停電した。

死亡1人、負傷1人、住家半壊1棟、同一部破損35棟、非住家被害7棟、同床上浸水90棟、同床下浸水399棟、耕地流失埋没75ha、道路損壊8か所、鉄軌道被害11か所、山・がけ崩れ14か所、提防決壊1か所、り災世帯92,り災者170人(県警調べ)
県がまとめた被害額は、農作物被害額が8,400万円、水産物被害額7億1,605万円、林業関係被害額3億1,350万円で総額は、施設関係被害を含めると約48億円に達した。
交通では、国鉄が4日午前中は、マヒ状態となった。また、バスの運休や船、空の便も欠航した。その他、13,700戸が停電した。
県内の雨による被害は、3日夜から4日早朝にかけて発生した。大分、別府、臼杵巿などでは、床上、床下浸水の被害があった。また、4日朝、大分市坂の市では増水した田んぼの見回りに行き、川に落ちて1人が水死した。国鉄では大分駅の構内が冠水し、ポイントが一部水につかり、また、各地で道床が流失するなど4日の午前中は利用客の足がマヒ状態になったが、夕方からしだいに関通した。
たつ巻について3日17時45分ごろ、大分市中戸次の国道10号線沿いで弱いたつ巻が発生した。このたつ巻で1人が負傷、民家約40戸の屋根がわらが飛ぶなどの被害が出た。たつ巻は南の方向から前田、門前地区を数百メ一トル北上、国道10号線をまたいでUターンの形で南に舞い戻り、同5時45分ごろ収まった。このため、中戸次中村の市神社境内にあるイチョウの枝が折れ、同境内の住宅に十数本落ち屋根に大穴があいた。折れた枝は大きなもので直径10cm、長さ5mもあった。このほか、同地区一帯で約30戸の屋根がわらが飛び、3棟の車庫が全壊した。また、商店の看板が吹き飛ばされて駐車中の車にぶつかり、フロントガラスが割れた。

【出典:大分県災異誌 第4編(昭和46年~55年)(1981.12)】

【昭和54年9月台風第12号】

【出典:1979/9/3 21:00の天気図】

災害データ

最低気圧
995.6hPa
最低気圧観測地
-
最低気圧観測日時
1979/9/4 3:20
最大風速の風向
最大風速
11.8メートル
最大風速の観測地
大分
最大風速の観測日時
1979/9/4 3:20
累積最大降水量
272ミリ
累積最大降水量観測地
犬飼
日最大降水量
202ミリ
日最大降水量観測地
臼杵
最大日降水量の観測年月日
1979/9/4
最大1時間降水量
-
最大1時間降水量の観測地
臼杵
最大1時間降水量の観測年月日時間
1979/9/4 1:00
死者・行方不明者数
-
負傷者数
-
住家全壊/全焼数
戸(棟)
住家半壊/半焼数
8戸(棟)
住家一部損壊数
13戸(棟)
床上浸水数
90戸(棟)
床下浸水数
2018戸(棟)
道路被害 ※事前通行規制は除く
729か所
橋梁被害
10か所
山・崖崩れ
14か所
被害総額
4,843,022 千円

主な被害

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国道10号線沿いで弱い竜巻が発生した。この竜巻で1人が負傷、民家約40戸の屋根がわらが飛ぶなどの被害が出た。竜巻は南の方向から前田、門前地区を数百メ一トル北上、国道10号線をまたいでUターンの形で南に舞い戻り収まった。地区一帯で約30戸の屋根がわらが飛び、3棟の車庫が全壊した。また、商店の看板が吹き飛ばされて駐車中の車にぶつかり、フロントガラスが割れた。

竜巻のため、境内にあるイチョウの枝が折れ、同境内の住宅に十数本落ち屋根に大穴があいた。折れた枝は大きなもので直径10センチメートル、長さ5メートルもあった。

増水した田んぼの見回りに行き、川に落ちて1人が水死した。

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