大分県災害データアーカイブ|大分大学減災・復興デザイン教育研究センター(CERD) NHK大分放送局 × 大分大学減災
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災害【平成24年9月台風第16号】

発生期間 平成24年9月16日-平成24年9月17日 |災害番号:011751|固有コード:01175100

災害の種別
台風 大雨

概要

9月11日09時にパラオの北で発生した台風第16号(SANBA)は、ゆっくりと北北西進し、13日21時にはフィリピンの東海上で大型で猛烈な台風に発達した。台風第12号は北上を続け、大型で非常に強い勢力を保ったまま、16日07時30分頃沖縄本島を通過した。その後台風12号は、東シナ海を北上し朝鮮半島南部を通過後日本海へ抜けた。大分県へは全域を強風域に巻き込みながら17日午前中に最接近した。また、対馬海峡には秋雨前線が停滞しており、台風からの湿った南風の影響で活動が活発となり県の南部を中心に大雨となった。なお、16日の武蔵観測所、17日の佐伯・宇目両観測所で最大瞬間風速の極値を更新した。

9月16日夜、佐伯市宇目木浦内にある水力発電専用の藤河内ダムで、ダムに大量の雨水が流れ込み越流が発生した影響で放水ゲートの開閉装置が故障したり、非常用発電機の建屋が崩落する被害が出た。各地で道路被害による通行止めも多数発生し、県の調べでは、農林水産業施設被害が1億8,579万円、公共土木施設被害が1億2,787万円等、被害総額は4億9,002万円に上った。また、大分市、竹田市、豊後大野市等で最大32世帯49名が自主避難した。
交通機関では、JRにおいて16日14時過ぎから、久大本線の野矢駅-湯平駅間で一時運行を見合わせたため、普通列車15本が運休した。17日には豊後大野市犬飼田原でレールの土台部分が崩れた影響で、上下線で部分運休も含めて特急列車6本、普通列車29本が運休し、約2,500人に影響が出た。また、日豊本線大分駅-博多駅間でも一部運休が発生した。海上交通では16日午後、スオーナダフェリー等5社(6航路)で欠航となった。17日は国道九四フェリー(佐賀関-三崎)が全便欠航となった他、その他のフェリー会社においても大半の便が欠航となった。
ライフラインでは、16日臼杵市、佐伯市で停電が発生。17日も臼杵市、国東市、九重町等で停電が発生した。

【出典:大分地方気象台提供資料】

平成24年9月11日09時にカロリン諸島で発生した台風第16号は、海面水温の高い(約29℃以上)フィリピンの東の海域を北上しながら急速に発達した。
台風は、大型で非常に強い勢力を維持したまま16日07時半頃に沖縄本島付近を通過し、その後、東シナ海を北上した。16日朝から夕方にかけて奄美地方に、16日夜から17日昼前にかけて九州に接近した。17日09時には勢力が衰えはじめ、12時頃朝鮮半島に上陸、21時には日本海に達し、18日09時に沿海州で温帯低気圧に変わった。
また、台風の接近に伴い、強風による人的被害が山口県、福岡県、長崎県、佐賀県で計8名、住家の損壊が奄美地方を中心に計373件発生し、高潮による住家への浸水が長崎県や熊本県を中心に計685件発生した(平成24年9月20日11時現在、各県とりまとめ)。

15日から17日にかけて、台風第16号に伴う発達した雨雲の流れ込みや対馬海峡の前線の影響により、九州各地で局地的に激しい雨となった。特に15日から16日は九州東海上から湿った空気が継続して流れ込んだため、宮崎県や大分県を中心に大雨となり、15日から17日までの3日間の総降水量は、宮崎県神門(美郷町)で341.5ミリ、大分県宇目(佐伯市)で283.0ミリを観測した。

【出典:災害時気象資料 -平成24年台風第16号による 9月15日から17日にかけての九州・山口県の気象状況について-(福岡管区気象台)】

災害データ

最低気圧
995.3hPa
最低気圧観測地
-
最低気圧観測日時
2012/9/17 5:02
最大風速の風向
南東
最大風速
19.5メートル
最大風速の観測地
武蔵
最大風速の観測日時
2012/9/17 4:25
累積最大降水量
261.5ミリ
累積最大降水量観測地
宇目
日最大降水量
237ミリ
日最大降水量観測地
宇目
最大日降水量の観測年月日
2012/9/16
最大1時間降水量
-
最大1時間降水量の観測地
竹田
最大1時間降水量の観測年月日時間
2012/9/16 20:03
死者・行方不明者数
-
負傷者数
-
住家全壊/全焼数
戸(棟)
住家半壊/半焼数
戸(棟)
住家一部損壊数
-
床上浸水数
-
床下浸水数
-
道路被害 ※事前通行規制は除く
29か所
橋梁被害
-
山・崖崩れ
-
被害総額
490,016 千円