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災害【平成23年9月台風第15号】

発生期間 平成23年9月19日-平成23年9月21日 |災害番号:011660|固有コード:01166000

災害の種別
台風 大雨 洪水 高潮
市町村
大分市 津久見市 臼杵市

概要

9月13日15時に硫黄列島の西海上で発生した台風第15号(ROKE)は、20日21時には種子島の東海上で中心気圧 940hPaの大型で、非常に強い台風に発達した。その後、台風第15号は、四国の南海上を北東進し、21日昼過ぎに静岡県浜松市付近に上陸した。大分県では20日昼過ぎに県の南部から台風の強風域に入り始め、夜半ごろ最も接近した。台風の接近に伴い、県の中部・南部では大雨となり、臼杵では観測史上第1位の日降水量(410ミリ)を記録したほか、宇目でも第2位の日降水量(421 ミリ)を記録した。

19日佐伯市上浦最勝海浦の県道四浦港津井浦線など3箇所が通行止めとなった。
JRでは、日豊本線佐伯-宮崎空港間で特急列車2本が部分運休し、4本に最大約1時間50分の遅れが出た。海上交通では、宿毛・佐伯フェリーは21日の午前中の計4便の欠航を決めた。
20日臼杵市、津久見市、佐伯市、国東市、杵築市で避難勧告が出された。各市町村では床上浸水や、床下浸水、土砂崩れ・崖崩れが相次いだ。浸水や土砂崩れなどにより国道、県道、市道計37箇所が通行止めとなったが、いずれも人的被害はなかった。津久見市では午後0時半ごろ小園町の奥園川(幅5m)で、上流から流れてきた土石が川を埋めた。濁流があふれ出し、現場近くの5、6軒の敷地に流入した。杵築市守江では、女性(88)の住宅が床上浸水した。
JRでは、日豊、豊肥、久大の各本線でダイヤが乱れ、豊肥本線の大分-宮地間と日豊本線の幸崎-延岡間は終日運転を見合わせた。海上交通では、県内と四国を結ぶ海の便は国道九四フェリー(佐賀関-三崎)が全便欠航。宇和島運輸フェリー(別府、臼杵-八幡浜)は計12便、九四オレンジフェリー(臼杵-八幡浜)は計4便、佐伯・宿毛フェリーは佐伯発の1便がそれぞれ欠航した。
学校関係では、休校や途中下校が相次いだ。小中高校と特別支援学校のうち、24が臨時休校し、115校が途中下校した。
空の便では、20日午後、欠航や遅延が相次いだ。

【出典:大分地方気象台提供資料】

9 月 13 日 21 時に日本の南海上で発生した台風第 15 号は、北に進んだ後西に向きを変え、16 日にかけて大東島地方に向かって進んだ。台風は、南大東島の西海上を反時計回りに円を描くようにゆっくり動いた後、19 日 21 時には最大風速が 35m/s の強い台風となって奄美群島の南東海上を北東に進み、20 日 21 時には中心気圧が 940hPa、最大風速が 50m/s の非常に強い台風となった。台風は、速度を速めつつ四国の南海上から紀伊半島に接近した後、21 日 14時頃に静岡県浜松市付近に上陸し、強い勢力を保ったまま東海地方から関東地方、そして東北地方を北東に進んだ。その後台風は、21 日夜遅くに福島県沖に進み、22 日朝に北海道の南東海上に進み、同日 15 時に千島近海で温帯低気圧となった。
台風が、南大東島の西海上にしばらく留まり、湿った空気が長時間にわたって本州に流れ込んだことと、上陸後も強い勢力を保ちながら北東に進んだことにより、西日本から北日本にかけての広い範囲で、暴風や記録的な大雨となった。
9 月 15 日 0 時から 9 月 22 日 24 時の総降水量は、宮崎県美郷町神門(ミカド)で 1128.0mm となるなど、九州や四国の一部で 1000mm を超え、多くの地点で総降水量が 9 月の降水量平年値の 2 倍を超えた。風については、東京都江戸川区江戸川臨海(エドガワリンカイ)で最大風速が30.5m/s となり、統計開始以来の観測史上1位を更新するなど、各地で暴風を観測した。また、統計期間が 10 年以上の観測地点のうち、最大 72 時間降水量で 36 地点、最大風速で20 地点が統計開始以来の観測史上1位を更新した。

宮城県、静岡県、愛知県などで死者 12 名、行方不明者 3 名となり、沖縄地方から北海道地方の広い範囲で住家損壊、土砂災害、浸水害等が発生した。農業・林業・水産業被害や停電被害、鉄道の運休、航空機・フェリーの欠航等による交通障害が発生した。(被害状況は、平成23 年 9 月 24 日 13 時現在の内閣府の情報による)

【出典:台風第 15 号による暴風・大雨(気象庁)】

災害データ

最低気圧
996.1hPa
最低気圧観測地
大分
最低気圧観測日時
2011/9/21 3:38
最大風速の風向
北東
最大風速
11.9メートル
最大風速の観測地
武蔵
最大風速の観測日時
2011/9/20 10:03
累積最大降水量
553.3ミリ
累積最大降水量観測地
宇目
日最大降水量
421ミリ
日最大降水量観測地
宇目
最大日降水量の観測年月日
2011/9/20
最大1時間降水量
-
最大1時間降水量の観測地
宇目
最大1時間降水量の観測年月日時間
2011/9/20 15:39
死者・行方不明者数
-
負傷者数
-
住家全壊/全焼数
戸(棟)
住家半壊/半焼数
1戸(棟)
住家一部損壊数
4戸(棟)
床上浸水数
6戸(棟)
床下浸水数
79戸(棟)
道路被害 ※事前通行規制は除く
116か所
橋梁被害
1か所
山・崖崩れ
51か所
被害総額
1,890,067 千円

主な被害

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県道の橋の橋脚が傾き、復旧には数か月かかる見込み。

台風による大雨のため、上流の山が崩れて奥園川で土石流が発生した。

高台の斜面に建っている住宅の裏山が崩れた。家屋や住人に被害はなかった。

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