大分県災害データアーカイブ|大分大学減災・復興デザイン教育研究センター(CERD) NHK大分放送局 × 大分大学減災
復興デザイン教育研究センター(CERD)

災害【平成16年10月台風第23号、秋雨前線】

発生期間 平成16年10月18日-平成16年10月20日 |災害番号:011230|固有コード:01123000

災害の種別
台風 大雨 洪水 高潮
市町村
佐伯市 大分市 臼杵市 豊後大野市

概要

10月13日9時にマリアナ諸島の西海上で発生した台風第23号は、16日15時には「超大型で非常に強い」勢力に発達した。19日には沖縄本島や奄美諸島に沿うように北上し、種子島の東海上を通って、20日13時頃、高知県土佐清水市付近に上陸した。上陸時の勢力は、中心気圧955ヘクトパスカル、中心付近の最大風速40メートル、風速25メートル以上の暴風域の半径は東側330キロ西側220キロ、風速15メートル以上の強風域の半径は東側800キロ西側560キロと「大型で強い」台風だった。その後、18時前に大阪府泉佐野市付近に再上陸し、本州を縦断後、21日3時に関東の東海上で温帯低気圧に変わった。大分県には大型で強い勢力のまま接近し、19日17時頃から20日21時頃まで強風域に、20日9時頃から16時頃にかけては暴風域に入った。秋雨前線が九州中部付近に停滞していたため、大分県では強い雨が長時間持続した。18日から20日までの期間降水量は、宇目で503ミリ、蒲江で472ミリ、佐伯で471ミリ、大分で400.5ミリ、別府で297ミリ、中津で266ミリを観測した。また、県下は風も強く、最大瞬間風速は、大分では9時24分に北東の風30.0メートル、日田では12時53分に北北西の風19.9メートルを観測した。また、台風が最も接近した20日昼頃は満潮時だったため、台風通過時の大分港の最大潮位偏差は57センチ(20日10時08分)、最高潮位はTP上116センチ(20日12時23分)となった。

台風第23号の大雨により、臼杵市内で新聞配達中の男性が行方不明となった。犬飼町大字田原では、国土交通省犬飼現場監督所の裏山の土砂が高さ30m、幅30mにわたり崩落し、プレハブ事務所が移動損壊し、男3名、女1名が軽傷。大分市敷戸新町では、市営住宅横の法面が崩落し、土砂がアパートに流れ込み、1棟15世帯が避難したが、人的被害なかった等の山がけ崩れが大分県内で26箇所発生した。また、大分市錦町滝尾JR鉄橋付近では、大分川の増水による水路の逆流により8棟が床上浸水、7棟が床下浸水した。佐伯市木立で9棟が床上浸水する等の浸水害が大分県内で続出した。
交通障害は、20 日航空便は29 便が欠航し、フェリーは大半が終日欠航した。JR では、日豊本線、豊肥本線、久大本線の各線とも朝から夜まで大半が運休した。
農業被害は、大分県全域にわたり、水稲の倒伏や野菜、果樹、花卉の被害やビニールハウスの損壊が発生した。また、大分、臼杵、日田各市等で約14,400 戸が停電し、ほとんどの学校は休校となった。

【出典:大分県災異誌 第7編(平成13年-平成23年)(2012.2)】

【平成16年10月台風第23号、秋雨前線】

【出典:2004/10/20 9:00の天気図】

災害データ

最低気圧
983.4hPa
最低気圧観測地
-
最低気圧観測日時
2004/10/20 12:19
最大風速の風向
北北東
最大風速
23メートル
最大風速の観測地
武蔵
最大風速の観測日時
2004/10/20 9:50
累積最大降水量
503ミリ
累積最大降水量観測地
宇目
日最大降水量
369ミリ
日最大降水量観測地
蒲江
最大日降水量の観測年月日
2004/10/20
最大1時間降水量
-
最大1時間降水量の観測地
蒲江
最大1時間降水量の観測年月日時間
2004/10/20 10:20
死者・行方不明者数
1人
負傷者数
12人
住家全壊/全焼数
-
住家半壊/半焼数
4戸(棟)
住家一部損壊数
88戸(棟)
床上浸水数
301戸(棟)
床下浸水数
781戸(棟)
道路被害 ※事前通行規制は除く
97か所
橋梁被害
-
山・崖崩れ
2か所
被害総額
14,485,980 千円

主な被害

マップを見る

9棟が床上浸水した。

国土交通省犬飼現場監督所(九州横断道路などの工事を監督するために設けた事務所)の裏山の土砂が高さ30メートル、幅30メートルにわたり崩落し、プレハブ事務所が移動損壊し、男性3人、女性1人がけがをして病院に運ばれた。

ミニバイクで新聞配達に出た40題の男性の行方がわからなくなった。午後3時過ぎ、男性が配達をしていた地域に近い末広川の支流で男性の遺体が見つかった。

60代の女性が自宅のドアを修理していたところ強風にあおられて転倒し、頭に軽いけがをした。

市営住宅横の法面がh幅10メートル、高さ10メートルにわたり崩落。土砂は5棟ある市営住宅のうちの2棟の周辺に流れ込み、駐車してた4、5台の車を押し流した。1棟15世帯が近くの鴛野小学校避難したが、人的被害なかった。

大分川の増水による水路の逆流で滝尾鉄橋付近では8棟が床上浸水、7棟が床下浸水した。

災害一覧に戻る