災害【昭和54年9月台風第16号】
発生期間 昭和54年9月28日-昭和54年9月30日 ) |災害番号:008970|固有コード:00897000
- 災害の種別
- 台風 大雨 強風 洪水 高潮
- 市町村
- 別府市
概要
ヤップ島の北西海上にあった弱い熱帯低気圧は、9月23日15時に台風第16号となった。台風は、北西に進み、北緯20度線をこえた。25日には、中心の気圧965ミリバールまで成長した。26日には、沖縄の南南東の海上で、大型の非常に強い台風(中心気圧920ミリバール)に発達した。一方、25日21時には、マリアナ諸島の北西海上で台風17号が発生したが、わずか18時間の寿命であった。台風16号は27〜28日にかけて、沖縄の東海上で停滞するなどゆっくりした速さで北上し、29日9時には、中型の強い(中心気圧950ミリバール)勢力を保って奄美大島の南東海上50キロに達した。29日の昼ごろからやや速度をはやめて北北東に進み、30日6時には種子島の南端付近に達した。(中心気圧955ミリバール)その後は、次第に加速しながら北東に向きを変え、日向灘を経て、四国の室戸市に、18時30分ごろ上陸した。台風が大分県に最も接近したのは、大分市の南東およそ160キロの海上にあった30日の午後であった。その時の大分の最低気圧は、991.4ミリバール(30日16時00分)を観測した。県内の雨は、28日の早朝から小雨が降り始め、30日には県の中部、南部で1時間に40~45ミリの強い雨が降った。県内の陸上では、あまり強い風は、吹かなかった。
台風の特性:(1)秋台風としては珍しく速度が遅かった。(2)九州の南海上を停滞またはごくゆっくりした速度で北上したが、迷走はしなかった。(3)雨は県の中部、南部で総雨量が200〜250ミリに達したが、県の北西部の日田地方では、少なく、わずかに50ミリ以下であった。
耕地流失埋没16ha、道路損壊5か所、山・がけ崩れ1か所(県螯調べ)大分県がまとめた被害総額は、11億3,000万円に及び、なかでも土木関係が最も多く5億円をこえ、次いで農地、農業関係となっている。農業関係被害額1億2,604万円、水産業関係波害額2,990万円、林業関係1億2,800万円。住家床下浸水88棟。
台風による家屋の損壊はなかったが、別府巿亀川地区の浜田や古市で12世帯が床下浸水。挾間町の北方の県道高崎向原線で土砂崩れがあり、通行止めになっているのをはじめ、県道佐伯-蒲江線の蒲江町轟峠、宇目町塩見園など県南を中心に土砂崩れで通行止めがかなり出ている。台風が最も接近した県南地方では、樹木が電線に倒れるなどして佐伯、臼杵など県南一帯で約6,000戸が停電したが、午後5時までにすべて復旧した。国鉄は、日豊線が宮崎、鹿児島両県内の大雨で昼前から運転を中止。この影響で特急、急行など上下合わせて31本の列車が全面、部分運休したほか、久大、豊肥の両線も、4本が17分から1時間半近くの遅れを出すなど、ダイヤは、終日大きく乱れた。一方、空の便も大幅に乱れた。午前10時15分、東京行きや午後5時発大阪行きなど全日空6便のうち5便が欠航。また、東亜国内航空でも到着便をはじめ、午後2時5分発東京行きなど5便が欠航。しかし、大した混乱はなかった。また、海上のシケで大分ホーバーフェリー、太平洋沿岸フェリー、広別汽船、国道九四フェリーのすべてが欠航した。
【出典:大分県災異誌 第4編(昭和46年~55年)(1981.12)】
【出典:1979/9/30 9:00の天気図】
災害データ
- 最低気圧
- 991.4hPa
- 最低気圧観測地
- -
- 最低気圧観測日時
- 1979/9/30 16:00
- 最大風速の風向
- 北西
- 最大風速
- 9.1メートル
- 最大風速の観測地
- 大分
- 最大風速の観測日時
- 1979/9/30 19:00
- 累積最大降水量
- 97ミリ
- 累積最大降水量観測地
- 蒲江
- 日最大降水量
- 190ミリ
- 日最大降水量観測地
- 出羽
- 最大日降水量の観測年月日
- 1979/9/30
- 最大1時間降水量
- -
- 最大1時間降水量の観測地
- 蒲江
- 最大1時間降水量の観測年月日時間
- 1979/9/30 12:00
- 死者・行方不明者数
- -
- 負傷者数
- -
- 住家全壊/全焼数
- 戸(棟)
- 住家半壊/半焼数
- 戸(棟)
- 住家一部損壊数
- -
- 床上浸水数
- 1戸(棟)
- 床下浸水数
- 88戸(棟)
- 道路被害 ※事前通行規制は除く
- 112か所
- 橋梁被害
- 2か所
- 山・崖崩れ
- 1か所
- 被害総額
- 1,133,664 千円