被害【昭和47年7月大雨】日田市
|災害番号:008070|固有コード:00807002
- 市町村
- 日田市
概要(被害)
崖崩れが発生、住宅1戸が全壊、4戸が半壊し、5人が重軽傷を負った。
災害概要
太平洋の高気圧の勢力が強まり、西日本の梅雨前線は、一時衰弱し、7月に入って晴天となった。7月2日の午後、華北東部に発生した低気圧が次第に発達した。一方西日本は、太平洋高気圧の縁辺部に人り、高温多湿な南西気流が強まって九州西岸で収束した。このため大気の状態は不安定となり、2日午後から県西部の山沿い地方では、にわか雨が多くなった。低気圧は3日黄海中部に進み、この中心から南東に延びる前線は、九州北部付近に停滞し、南西風の収束域が九州地方に移った。これに地形効果も加わって、九州山地の西側を中心にところどころ雷を伴った強い雨が降った。4日には、低気圧は朝鮮半島中部を東進し、寒冷前線が朝鮮海峡に南下するにしたがって、九州の上空には寒冷な気流が入り、気暦の不安定度が更に強まった。このため4日から5日朝にかけて強い雨域が県西部及び県北部の山国川流域にも侵入し、この方面に雷を伴った強雨が断続した。県下の大雨はこのころが最盛期で、日田市では4日11時50分から12時50分の1時間に50ミリ、また、5日1時50分から2時50分の1時間に51.5ミリの豪雨を記録した。その後、強雨域は、熊本県南部・宮崎県南部まで南下し、県下の雨は弱まった。
今回の大雨の特性:
(1)高温多湿な南西気流の収束によって発達した雨雲が、熊本県北部・福岡県南部から大分県西部にかけて停滞したため、県西部から県北部にかけて多雨域となり、日田の総降水量は313ミリに達したが、県南部の沿岸地方では少なく、佐伯では40ミリであった。
(2)雨の降り方は、しゅう性で、雷を伴い、短時間に集中的に降った。
月の降水量は、平年の1.5~2倍も多かったところへ、こんどの九州地方の大雨で、県下でも西部を中心にかなりの被害があった。雨の特に強かった5日朝、日田市ではがけ崩れのため住家1戸が全壊、4戸が半壊し、5人が重軽傷を負った。このほか、日田地方を中心に各地でがけ崩れなどで道路が数か所不通になり、日田郡上津江村笹野部落は一時孤立伏態になった。国鉄久大線は、夜明-光岡間でがけ崩れのため一時不通になった。また、日田市の中心街では、小川や水路のはんらんで家屋多数が浸水した。日田市で花月川、中津市で山国川、竹田市では稲葉川が5日の8時から10時にかけて警戒水位前後まで増水した。
県下の通信関係は479回線が不通になり、電力関係でも、日田地方で大雨や落雷のため停電した。そのほか、稲や野菜などの農作物にも波害があり、県下の被害総額は9億円余りであった。(大分県調べ)
【出典:大分県災異誌 第4編(昭和46年~55年)(1981.12)】
月の降水量は、平年の1.5~2倍も多かったところへ、こんどの九州地方の大雨で、県下でも西部を中心にかなりの被害があった。
雨の特に強かった5日朝、日田市ではがけ崩れのため住家1戸が全壊、4戸が半壊し、5人が重軽傷を負った。このほか、日田地方を中心に各地でがけ崩れなどで道路が数か所不通になり、日田郡上津江村笹野部落は一時孤立伏態になった。国鉄久大線は、夜明-光岡間でがけ崩れのため一時不通になった。また、日田市の中心街では、小川や水路のはんらんで家屋多数が浸水した。日田市で花月川、中津市で山国川、竹田市では稲葉川が5日の8時から10時にかけて警戒水位前後まで増水した。
県下の通信関係は479回線が不通になり、電力関係でも、日田地方で大雨や落雷のため停電した。
そのほか、稲や野菜などの農作物にも波害があり、県下の被害総額は9億円余りであった。
(大分県調べ)
災害データ
- 最低気圧
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- 最低気圧観測地
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- 最低気圧観測日時
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- 最大風速の風向
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- 最大風速
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- 最大風速の観測地
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- 最大風速の観測日時
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- 累積最大降水量
- 448ミリ
- 累積最大降水量観測地
- 中津江
- 日最大降水量
- 238ミリ
- 日最大降水量観測地
- 日田
- 最大日降水量の観測年月日
- 1972/7/4
- 最大1時間降水量
- -
- 最大1時間降水量の観測地
- 日田
- 最大1時間降水量の観測年月日時間
- 1972/7/5 1:50
- 死者・行方不明者数
- -
- 負傷者数
- -
- 住家全壊/全焼数
- 1戸(棟)
- 住家半壊/半焼数
- 5戸(棟)
- 住家一部損壊数
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- 床上浸水数
- 4戸(棟)
- 床下浸水数
- 376戸(棟)
- 道路被害 ※事前通行規制は除く
- 25か所
- 橋梁被害
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- 山・崖崩れ
- 16か所
- 被害総額
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