被害【昭和60年7月赤潮】豊前海
|災害番号:009500|固有コード:00950001
概要(被害)
赤潮が発生。アサリや車エビなどに大きな被害が出た。
災害概要
6月下旬から7月初めにかけての梅雨前線による長雨のため、栄養分を含んだ陸水が多量に海に流れ込み、塩分濃度が低下したのに加え、梅雨明け後は晴天が続いたため海水温が上昇し、悪質な動物性プランクトン「ギムノディニウム」が異常増殖して赤潮が発生。
赤潮の状況を新聞記事から抜粋すると次のとおりである。県下の赤潮は、7月11日ごろ臼杵湾・佐伯湾で、15日ごろには津久見湾で、17日からは豊前海・別府湾で発生が確認された。県南の養殖ハマチなどに被害が出たほか、豊前海ではアサリや車エビなどに大きな被害が出た。県下では昭和51年の41件をピークに赤潮発生は年々減少、ここ数年は10件前後だった。発生件数の多い、昭和50年前後でも、同時期に県下全域にわたるような大規模なものは発生しておらず、今回が初めて。(7月25日)
7月30日、宇佐市の長洲漁協では「死んだ魚を取り除いて漁場を掃除しよう」と底びき網漁船が、約4,000m沖合まで出て1時間操業した。底物の魚を中心に約10トンの死がいを陸に上げ処理した。この中には殻だけになっている貝類も多く見られ、魚介類全般に被害が及んでしいることが改めて確認され、同漁協の話しでは、赤潮の期間・規模とも戦後最大とのことである。(7月30日)
8月20日、県林業水産部は県下全域に発生していた赤潮は20日までに消滅したと、40日ぶりに”終息宣言”を出した。(8月21日)
県のまとめによると、県下の赤潮被害は最大規模のもので、アサリ・アワビ・サザエなど3億9,100万円、いけすや養殖の水産物が3億1,900万円、その他の被害を合せ、被害総額は7億1,240万円にのぼった。県では関係者に過去最高の5,809万円を被害補てんとして支払うことを決めた。(11月24日)
【出典:大分県災異誌 第5編(昭和56年~平成2年)(1991.12)】
災害データ
- 死者・行方不明者数
- -
- 負傷者数
- -
- 住家全壊/全焼数
- 戸(棟)
- 住家半壊/半焼数
- 戸(棟)
- 住家一部損壊数
- -
- 床上浸水数
- -
- 床下浸水数
- -
- 道路被害 ※事前通行規制は除く
- -
- 橋梁被害
- -
- 山・崖崩れ
- -
- 被害総額
- 721,400 千円