大分県災害データアーカイブ|大分大学減災・復興デザイン教育研究センター(CERD) NHK大分放送局 × 大分大学減災
復興デザイン教育研究センター(CERD)

被害【平成2年7月少雨・高温】大野郡大野町

|災害番号:009940|固有コード:00994005

災害の詳細を見る →

市町村
豊後大野市

概要(被害)

水稲・野菜などの被害額は1256万円に達し、豚32頭、肥育牛・乳牛など36頭が死亡した。

災害概要

県下は、7月はじめ梅雨前線の活動が活発となり大雨が降って、気温は平年に比べ2~3度下まわった。その後、8月上旬にかけ太平洋高気圧が勢力を強め九州付近を覆ったため晴れて厳しい暑さとなり、7月の月平均気温は大分を除くアメダス観測所で開設以来第1位の高い記録となった。また、7月11日から8月10日までの県下の雨量は、薩江で無降水を記録するなど沿岸部で平年比の10%以下、最も多く降った湯布院でも平年比の46%と少雨であった。8月中旬は、太平洋高気圧の周辺部で大気の状態が不安定となり局地的ににわか雨や雷雨の日が多く、暑さは引き続き厳しかった。下旬は22日に台風第14号が豊後水道を北上したのに伴い各地で30ミリから100ミリ前後の降水があり猛暑は一段落した。8月末に天気は一時崩れたがその他の日は再び太平洋高気圧に覆われて9月の中ごろまで厳しい残暑が続いた。

県下は7月中旬から8月中旬にかけての少雨に加え、連日の猛暑のため、西国東郡を中心にブロイラーが16,600羽熱死した。この他、水陸稲16ヘクタールをはじめミ力ンや野菜等の農作物に被害が発生した。農業被害総額は、3億255万円に達した。(大分県農政企画課調べ)
異常高温に関する新聞記事から抜粋したものを次に示す。8月1日「記録ずくめ、猛暑の7月」7月の県下は、真夏日の連続日数・25日間、最高気温35度以上の連続日数・4日間、同33度以上の連続日数・17日間など観測史上で1位となる記録ずくめ。7月19日、大分市の給水量が17万2,500トンと過去最高を記録し、昨年の7月に比べ1日平均1万1千トン給水量の多い日が毎日のように続いている。「暑さでアユ大量死」山国町から耶馬渓町にかけての山国川20キロにわたり、アユが大量に死んだ。連日の猛暑で水温があがり、アユが弱わり病気になったと思われる。8月3日「夏野菜は急高騰、クーラーは売れて売れて……悲鳴」8月4日津久見市の特産ミカンに被害が出始めたため、同市は農産物干害対策本部を設け指導をしている。ミカン園内が乾燥し、葉を巻き始め、ミカンの生育が止まり、ひどい所はミカンがしなび始めている。特にサンクイーンの被害が大きい。8月5日大分県農政部は、干害と高温障害防止対策会議を開き、具体的対策を通知した。8月8日ツツジ、大量に枯死(豊後高田・中央公園)8月9日樹木もピンチ(大分市の街路や公園)8月11日農畜産に打撃(大野町)水稲・野菜等の被害額は1,256万円、豚32頭、肥育牛・乳牛など36頭が死亡、大野郡内のかんがい用ため池700ケ所もほとんど水枯れ状態。8月16日農作物の被害広がる(三重町)陸稲やサトイモ、カンショが枯死したり枯死寸前、同町川辺地区の約30㏊の水稲は干害により完全放棄を余儀なくされている。8月23日「台風一過、猛暑いっぷく、真夏日46日でストップ」「農作物には、恵みの雨」

【出典:大分県災異誌 第5編(昭和56年~平成2年)(1991.12)】

災害データ

死者・行方不明者数
-
負傷者数
-
住家全壊/全焼数
戸(棟)
住家半壊/半焼数
戸(棟)
住家一部損壊数
-
床上浸水数
-
床下浸水数
-
道路被害 ※事前通行規制は除く
-
橋梁被害
-
山・崖崩れ
-
被害総額
302,550 千円

主な被害

マップを見る

約30ヘクタールの水稲は干害により完全放棄を余儀なくされている。

陸稲やサトイモ、カンショが枯死したり枯死寸前になった。

大分市の給水量が17万2500トンと過去最高を記録し、昨年の7月に比べ1日平均1万1千t給水量の多い日が毎日のように続いた。大分市の街路や公園の樹木もピンチに陥っている。

山国町から耶馬渓町にかけての山国川20キロにわたり、アユが大量に死んだ。連日の猛暑で水温があがり、アユが弱わり病気になったと思われる。

特産のミカンに被害が出始めたため、同市は農産物干害対策本部を設け指導をしている。ミカン園内が乾燥し、葉を巻き始め、ミカンの生育が止まり、ひどい所はミカンがしなび始めている。特にサンクイーンの被害が大きい。

ツツジが大量に枯死した。

災害一覧に戻る