大分県災害データアーカイブ|大分大学減災・復興デザイン教育研究センター(CERD) NHK大分放送局 × 大分大学減災
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被害【昭和58年7月少雨・異常高温】豊前海

|災害番号:009400|固有コード:00940001

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概要(被害)

猛暑でアサリ死ぬ被害が発生。豊前海一帯かなりの被害。

災害概要

7月下旬太平洋高気圧は西に張り出し、その後8月上旬にはその中心を九州の南海上に移し晴天が続した。一方、中旬には台風第5号が九州のはるか南海上を北々東進したが影響はほとんどなかった。下旬には弱い熱帯低気圧が東シナ海を北上し県下は雨となったが、その他の日は晴れの暑い日が続いた。
(最高気温)大分では7月20日から8月12日まで24日間連続して最高気温が30℃を超え、また、8月2日から5日の4日間は連日35℃以上となり大分での観測開始以来の記録となった。このほか、8月上旬の「最高気温の平均」は34.3℃で昭和41年と同じ最も高い記録となった。日田では7月18日から8月23日までの37日間連続して最高気温が30℃を超え、従来の継続記録35日を更新した。また、8月上旬の最高気温の平均35.5℃は昭和26年以来の記録となった。
(最低気温)大分では7月21日から24日の4日間、25℃以上の熱帯夜を記録したほか、8月には2日から7日までの連続6日間の熱帯夜となり、従来の7日間(1942年)に次ぐ記録となった。また、最低気温が25℃を超えた日は8月に14日あり、1942年の7日を超えて1位となった。
(降水量)大分市では降水量が7月18日以降、7月下旬に4㎜、8月上旬0.0㎜、8月中旬5㎜と極めて少なかった。県下全域についてみると、8月7日から10日にかけて九州付近は、太平洋高気圧の周辺部になり上空に寒気が流入したため大気が不安定となって、県の北西部で雷雨による20~50㎜の雨が降った。その後8月下旬の27~28日にかけて弱い熱帯低気圧が東シナ海を北上したため県内では15~150m(大分では55㎜)の雨が降り、水不足は一応解消した。

大分県のまとめによると、農産・畜産の被害総額は8億3,975万円。7月下旬から8月の間における少雨・異常高温に関する新聞記事を抜粋する。7月26日九州電力の瞬間最大電力は26日16時30分、史上最高の96万1,000kwを記録した。7月29日大分市の上水道の一日使用量は、27日これまで最高の15万2.390トンを記録した。8月4日県下の瞬間最大電力は、3日14時29分に97万8,000kwと最高の記録を更新。深刻な山間地の農家、水田はカラカラ。猛暑続きで陸稲は枯死が心配。8月5日野菜に”炎暑被害"ジワジワ、日焼け出荷ダウン、高値。8月12日猛暑で"アサリ"死ぬ、豊前海一帯かなりの被害。8月16日高温、ミカン類に病害虫多発の恐れ、県徹底防除を呼びかける。8月18日"実りの秋”が心配、露地もの野菜に影響が出ているほか、果物も影響が心配。8月23日水の使用量も最高、大分市で15万トン以上7日間も。田に水が欲しい、臼杵市では水門に水番が立つ。中津市で節水呼びかけ。

【出典:大分県災異誌 第5編(昭和56年~平成2年)(1991.12)】

災害データ

死者・行方不明者数
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負傷者数
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住家全壊/全焼数
戸(棟)
住家半壊/半焼数
戸(棟)
住家一部損壊数
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床上浸水数
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床下浸水数
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道路被害 ※事前通行規制は除く
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橋梁被害
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山・崖崩れ
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被害総額
839,758 千円