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被害【昭和54年6月大雨】豊後高田市 広瀬川

|災害番号:008940|固有コード:00894002

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市町村
豊後高田市

概要(被害)

梅雨前線の接近にともなう大雨のため、堤防が決壊した。

災害概要

6月26日の朝、朝鮮の南岸付近にあった梅雨前線はゆっくり南下して、26日夜には九州北部に達し、次第に活動が活発となった。県の西部や北部では、昼前かり小雨が降り始め、夜に入って県の中部以北では全般的に雨となった。特に、釈迦岳では20時ごろから雨が強まり、22時までの1時間に30ミリを測り、26日の日雨量は148ミリを記録した。27日の前半まで九州北部に停滞の梅雨前線は、27日の午後になってゆっくり南下した。このため、県内は昼過ぎまで県の西部や北部を中心に大雨となり、釈迦岳では27日の2時までの1時間に52ミリ、3時までの3時間雨量が118ミリを記録した。その他の各地でも、1時間に20~40ミリ、3時間60~65ミリを観測したところがあった。また、日田では27日の13時38分に、大分では15時55分から16時20分までに雷電を観測した。強い雨の区域は、15時すぎから県の中部から南部へ移り、18時以降は、全般に小降りとなり、県内にかかっていた雨雲は、ほとんど弱まって大分では晴れ間もでた。28日には、梅雨前線が九州南部に停滞したため、特に、強い雨は、降らなかったが、県の南部では、1時間に20ミリ前後の雨が降った。その後、前線は、九州北部に北上し、29日の早朝には、その前線上を低気圧が通ったため、県の北部・西部や中部では1時間に30~40ミリ、3時間に80~90ミリの強い雨が降った。午後には、前線は弱まり、1時間に数ミリ程度の雨が降り続いた。さらに、30日には、九州北部の梅雨前線上を低気圧が午前中に通ったため、県北部・西部や中部で1時間に30~40ミリ、3時間に80~90ミリの強い雨が降り、午後には弱まった。その後、県内での梅雨前線の活動は弱く、7月1日の1時までの1時間に釈迦岳では、63ミリの大雨を記録したほかは、特に、大雨は降らなかった。

降雨の特性:
(1)梅雨前線が長期間、九州付近に停滞し、大雨を降らせたのは、大分県では近年になく、昭和28年6月25日~29日(1953)の大雨以来であった。
(2)釈迦岳では、6月26日~7月2日までの合計雨量が1,281ミリに達し、記録的な大雨であった。
(3)大雨の周期は、およそ12時間で経過した。
(4)5月から6月中旬までの少雨傾向が、6月26日~30日の大雨で県の中部以北では、平年をはるかに上回る多雨となった。

被害は、大分県の中部以北の広い範囲にわたった。27日は日田郡、玖珠郡(特に玖珠町)、日田市を中心にがけ崩れ、中小河川の増水、はんらんや堤防決壊などの被害が発生した。また、大野郡犬飼町の国道57号線では、崩れた土砂でトラックがつぶされて2人が死亡した。28日は雨が小康状態だったため、大きな被害は発生しなかった。29日は再び大雨となったため、県の西部から中部にかけてがけ崩れ、中小河川の増水、はんらんや堤防決壊、道路損壊、浸水などの被害が広い範囲にわたり発生した。30日は広瀬川の堤防が決壊するなど、県の北部を中心に多くの被害が出た。交通関係では、久大線ががけ崩れのため不通となり、また、豊肥線や日豊線でも一部連休し、列車の遅延が続出した。空や海も視界不良で欠航や遅延があった。更に、停電や断水した所もあった。
県がまとめた被害総額は、7月7日10時現在、157億9876万円に及んだ。なかでも土木関係被害が最も多く95億円を越え、次いで農業、林業関係となっている。

【出典:大分県災異誌 第4編(昭和46年~55年)(1981.12)】

【昭和54年6月大雨】

【出典:1979/6/29 9:00の天気図】

災害データ

最低気圧
-
最低気圧観測地
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最低気圧観測日時
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最大風速の風向
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最大風速
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最大風速の観測地
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最大風速の観測日時
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累積最大降水量
1281ミリ
累積最大降水量観測地
釈迦岳
日最大降水量
386ミリ
日最大降水量観測地
釈迦岳
最大日降水量の観測年月日
1979/6/27
最大1時間降水量
-
最大1時間降水量の観測地
日田
最大1時間降水量の観測年月日時間
1979/6/30 3:40
死者・行方不明者数
2人
負傷者数
-
住家全壊/全焼数
5戸(棟)
住家半壊/半焼数
7戸(棟)
住家一部損壊数
47戸(棟)
床上浸水数
43戸(棟)
床下浸水数
1637戸(棟)
道路被害 ※事前通行規制は除く
1607か所
橋梁被害
18か所
山・崖崩れ
-
被害総額
16,393,989 千円

主な被害

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国道57号線では、崩れた土砂でトラックがつぶされて2人が死亡した。

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