NHK大分放送局 × 大分大学減災・
復興デザイン教育研究センター(CERD)

台風5号は12日9時ごろ、沖の鳥島の北方およそ300キロの海上で発生し、15日15時ごろ沖縄付近を通って東シナ海に入り、16日から17日にかけて進路を北から北北東に転じ、18日3時ごろ鹿児島県川内川の河口付近に上陸した。その後、中心気圧は次第に浅くなりながら6時に人吉付近、9時ごろ大分県南部に入り、13時半ごろ佐伯市付近から豊後水道に進んだ。台風が九州を通過したころの中心気圧は960ミリバール内外で、中心付近の最大風速は25メートルくらいであった。この台風の通過によって県下は16日早朝から断続的に、雨が降り始め、風もこのころから次第に強くなり、17日の夕方前後から暴風雨となり、21時ごろから18日3時ごろまでが最も強かった。台風が九州に上陸してから後は急速に勢力が衰え、県内を通って豊後水道へ進むころは風雨がともに弱かった。その後ふたたび風雨が強まったが18日の夕方にはまもなくおさまった。雨量も県南で300〜450ミリに達し、この方面の被害が大きかった。

【出典：大分県災異誌 第2編（1966）】

【出典：1954/8/18 9:00の天気図】